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【実施日】令和3年12月8日(水)18:00~19:00

【講 師】社会医療法人 仁寿会 加藤病院 神経内科 山口 拓也先生

【テーマ】在宅医療を支援する加藤病院のモバイルヘルスケアクリニック

【参加者】18名

【概 要】

 山口先生は本学のご出身で、2013年から脳神経内科医として社会医療法人仁寿会加藤病院に勤務されている。先生は、「1.社会医療法人仁寿会の紹介、2.加藤病院の機能・役割、3.地域包括ケアにおける仁寿会の取り組み、4.在宅医療とは」についてお話し下さった。
  仁寿会は地域総合ヘルスケアステーションとして大田市・川本町エリアに病院・診療所・介護老人保健施設・在宅療養支援センターを有し、住い生活の支援としてサービス付き高齢者向け住宅・ホームホスピス・医療近接型住宅・認知症ケアのグループホームを運営されている。地域の高齢化に伴う医療・福祉ニーズに応え、各領域の専門性を高められている。
  地域の中核病院としての加藤病院は、急性期医療から慢性期医療、さらには介護サービスまで幅広く対応できる体制を整え、機能強化型在宅療養支援病院として総合的在宅ケアサービス提供体制が取られている。また、地域の健康増進・予防の観点からも、地域住民への啓発活動や産業保健・学校保健事業等、住民の自立・生活の質の向上に貢献されている。更には人材育成の観点から、「田舎で学ぶ専門職連携医療教育 基本コース」のプログラムを持って実習の受け入れもされており、会場には地域医療実習でお世話になった学生も対面で参加した。
  タイトルの「モバイルヘルスケアクリニック」とは、地域に届けるヘルスケアサービスの総称で、ヘルスプロモーションカーやオンラインで、訪問診療、巡回診療、職場健診、学校健診、介護サービス等を行うこと言うそうである。
  先生は、医療を受ける場(外来・入院・在宅)の違いや訪問診療と往診の違いについて説明下さり、在宅医療とは、訪問診療と往診を組み合わせながら24時間365日、自宅での療養生活を支えていく医療であるとお話し頂いた。加藤病院では院内に連携拠点を整備し医療と介護の完全一体化を実現して、チームを組んで総合的在宅ケアサービスを提供されている。実習の時には多職種連携の細やかな情報共有場面等を学んで欲しいと話された。
  患者にとっての在宅医療のメリットとして、「マイペースに生活が送れる、有意義な時間・有意義な人生を送ることができる、家族の疑問の解決・サポートができる、診察が自宅で待ち時間の精神的苦痛の緩和」を挙げられた。また、医師の立場からのメリットとして、「患者を待たせているというストレスがない。外来に比較して患者家族の気持ちをゆっくり聞くことができる」等を示され、私見として医師自身も病院を出て四季の移り変わりを体感しながらの訪問診療はストレスの解消にもなると話された。
  訪問診療の場面を多数の写真で紹介下さり、「対象との信頼関係の構築が大事である」と話される通り、そこには患者さんの穏やかな表情があり、その場の空気感が伝わる1枚1枚であった。
 社会医療法人仁寿会加藤病院の体制から在宅医療の実際をお話し頂き、最後に理事長の「“つながる”を大切に」のメッセージで締めくくられた。地域・地域に暮らす対象者・そして協働する職員間に確かなつながりが感じられ、医療者の姿勢をお教え頂いたお話しであった。