令和6年度総合診療専門医育成ネットワーク事業完了報告書             令和7年3月31日

1.各医療機関間のネットワークづくり
(1)総合診療専門医育成ネットワーク世話人会及び意見交換会等の開催
     ・世話人会 令和6年6月30日(日)専攻医のフォロー方法等について
     ・メール会議  8回 次年度の取り組みについて  

2.総合診療医育成のためのプログラム作成・指導体制の整備支援
(1)総合診療専門医育成プログラムの整備状況
     令和6年度時点で下記の育成プログラムが整備され、33名が研修中である。
  ■.総合診療専門研修プログラム・・・12プログラム
    ・松江生協病院総合診療専門医研修プログラム
    ・島根大学病院・大田市立病院総合診療専門医コース研修プログラム
    ・島根県立中央病院総合診療専門研修プログラム
    ・出雲市民病院・出雲家庭医療学センター総合診療専門研修プログラム
    ・雲南市立病院総合診療専門研修プログラム
    ・総合診療専門研修 仁寿・川本あいあいプログラム
    ・島根県済生会江津総合病院総合診療専門プログラム
    ・浜田市地域包括ケア総合診療専門医コース
    ・津和野共存病院総合診療専門研修プログラム
    ・出雲徳洲会病院総診プログラム
    ・松江赤十字病院 総合診療専門研修プログラム
    ・益田赤十字病院 総合診療専門研修プログラム

3.総合診療専門医等の研修と養成
(1)「しまね総合診療の集い」の実施
  ■第1回「総合診療医ブラッシュアップセミナー」
 【日 時】 令和6年4月27日(土)14:00~18:00
 【場 所】 島根大学医学部附属病院 みらい棟4階 ギャラクシー
 【講 師】 聖母病院 総合診療科部長 南郷 栄秀 先生
 【参加者】 25名(学生14名)
 【概 要】 南郷先生は総合診療医として勤務される傍らEBM教育にも精通され、医師・多種・学生などを対象に、日本中で教育講演されている先生である。今回の総合診療の集いは、医学生が主体となって開催したセミナーであった。たくさんの医学生・研修医・指導医が参加し、活発なディスカッションが行われ、充実した時間となった。 第1部は「地域の中で総合診療を行うということ」をテーマとして、医師の中でも混同しがちな、家庭医と総合診療医、総合内科医の違いや、総合診療医の強みについてお話しいただいた。講義の中で出てきた「総合診療医はカメレオンのような存在」という言葉が印象的であった。 第2部は現在流行しているGLP-1ダイエットの論文を各グループで読みながら、EBMで問題を定式化する手法であるPICOや収集した情報や文献の内容を鵜呑みにせず、自分自身で判断する批判的吟味等について学んだ。                          

 ■第2回
【日 時】 令和6年 6月 30 日(日)13:30~17:30
【場 所】 島根大学医学部附属病院 みらい棟4階 ギャラクシー
【参加者】 37名(学生7名)
【概 要】 「The Diversity of GP」をコンセプトとして開催した今回の総合診療の集いはたくさんの医学生および医師に参加していただいた。第1部は新専攻医の村上先生と三谷先生が自己紹介され、和やかな雰囲気で始まった。その後、出雲市民病院の上村先生、やぶ医者大賞を受賞された波佐診療所の佐藤優子先生、島根大学医学部総合医療学講座の牧石先生が「患者さんのコンテクスト」について、全人的に理解することが重要であると述べられた。  第2部は大田市立病院の石田先生とあさひ診療所の邉田先生が「EBMと臨床経験の振り帰り」をテーマとして、普段の診療の中で地震が経験された症例をもとにプレゼンテーションされた。その後、医学生及び医師と活発なディスカッションが行われた。島根の総合診療は全国的にも「熱く」今後も継続してフォローしていきたい。

■第3回 江津総合病院主催「Western Carnival 2024」参加旅費支援 
【テーマ】 地域医療を支えるみんなと繋がりを
【日 時】 令和6年8月31日(土)から9月1日(日)
【場 所】 済生会江津総合病院他
【参加者】 55名(うち医学生5名について参加旅費支援を行った)
【概 要】 地域医療を支える県内外の行使の講演、職種・年齢・所属機関を超えた大交流会、地域で働く楽しさややりがいを共に考えるグループワークなど盛りだくさんの内容となった。

■第4回 隠岐病院主催「オキフェス2024」参加旅費支援
【テーマ】 総合診療医養成と地域医療の魅力を考える会
【日 時】 令和6年9月22日(金)~23日(月)
【場 所】 島根県隠岐の島町都万地区
【参加者】 50名(うち医学生9名について参加旅費支援を行った)
【概 要】(1日目)隠岐病院見学、フィールド学習、地域医療に関する講演、学習発表(2日目)グループディスカッション、 プレゼンテーション

■第5回
【日 時】 令和6年11月30日(土)13:30~17:30
【場 所】 島根大学医学部附属病院 みらい棟4階 ギャラクシー
【参加者】 29名(学生15名)
【概 要】  第1部では佐藤先生、遠藤先生、木島先生からそれぞれが考える予防医療についてのパネルディスカッションが行われ、明日からの診療のヒントとなる考え方を教示していただいた。第2部では学生2名によるポートフォリオ検討会を行った。発表後のグループワーでも活発なディスカッションが行われ、参加者の理解や考え方がさらに深まった。第3部では県内の専攻医の先生方の振り返り会が行われた。島根県内の様々な医療機関で、後期研修を行われている先生方の困り事や学びなどを、普段は直接関わる事が少ない指導医や医学生に共有して頂き良い刺激となった。

■第6回
【日 時】 令和7年2月1日(土)13:00~16:00
【場 所】 島根大学医学部附属病院 みらい棟4階 ギャラクシー
【講 師】 横浜市立大学 ヘルスデータサイエンス専攻  准教授 金子 惇 先生
【参加者】 23名(学生 9名)
【概 要】  第1部では金子惇先生に「研究は臨床現場から始まる:クリニカルクエスチョンを社会実装に繋げる」をテーマにお話しいただいた。医療の現場で湧き上がる疑問が、どのように研究に繋がり、社会に貢献できるかを、先生の経験を交え具体的な事例を通し「総合診療医育成を目指した臨床研究」の本質を学ぶことが出来た。第2部では、上村祐介先生が症例を提示後、各グループで活発なディスカッションが行われ、その後、参加した医学生が現在取り組んでいる研究についてのプレゼンが行われた。

(2)全国セミナーへの参加(学生の学会等参加支援)
【日 時】令和6年6月8日(土)~9日(日)
【場 所】アクトシティ浜松
【件 名】第15回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
【参加者】医学生6名(2年1名,3年1名、4年3名、5年1名)
【内 容】学生セッションにてポスター発表(アルコール依存症ついて)

(3)BLS(1次救命処置)講習会の実施
 院内BLS講習会およびアメリカ心臓協会BLS講習会を行った。
■院内BLS講習会→成人の一次救命処置(胸骨圧迫・AED)の指導
■アメリカ心臓協会BLS講習会
 ・BLS(Basic Life Support)→成人・小児・乳児の一次救命処置の指導
 ・ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)→成人の二次救命処置(成人の薬剤投与等)の指導

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アメリカ心臓協会(HeartCodeⓇ)BLSは、オンライン学習パートを修了後、会場での短時間スキルパートを受講することで、プロバイダーカードの取得ができるコロナ禍における新しい生活様式に沿った次世代型のBLSコースである。

4.医療機関・医師会・行政等と連携した総合診療医についての普及啓発
 (1)しまね地域医療支援センターとの連携
      第1回しまね専門研修プログラムWeb説明会 令和6年7月8日(月)~12日(金)
      第2回しまね専門研修プログラムWeb説明会 令和7年1月27日(月)~31日(金)

(2)大学との連携
   ■大学院コース等の支援
     博士課程  ・研究者育成コース     (昼夜開講制)
           ・総合診療・地域医療コース (昼夜開講制)
    その他:島根大学病院・大田市立病院総合診療専門医コース

(3)医療機関の連携
   総合診療科に関する医療機関担当者等との打ち合わせ(10件)

(4)総合診療科に関しての論文作成(論文投稿 2件)

                                                                                                                  以上