ワークライフバランスの推進事業
令和7年3月31日
令和6年度ワークライフバランスの推進事業完了報告書
1.女性医師等キャリアサポートの推進
島根県内で仕事に復帰したいと考えている女性医師等と復職研修病院をつなぎ、サポートすることで、女性医師等のキャリア形成を支援した。
(1) 相談窓口
平成26年8月から働き方に不安を抱える方の窓口(えんネット)を設置し、女性医師の出産・育児後の職場復帰や、現在の働き方に対する医師の悩みについて個別相談を受け付けた。
相談件数 20 件
・相談窓口事業の相談内容
子育てと仕事の両立方法
離職後の段階的なスキルアップについて
異動先の研修施設・院内保育所等、福利厚生の状況
身体的不調、 精神的不調、ライフイベントに関連した働き方
ライフイベントと奨学金返還免除期間の兼ね合い
(2) 復職支援プログラム作成支援
職場紹介・雇用についてのサポートを行ない、勤務が開始された後は健康面、精神面で定期的なフォローを行った。
職場紹介実績 2件
2.ワークライフバランス支援体制の充実
(1)情報収集・情報発信
a.学生のキャリア選択についての研究 研究者:堀田優希江・佐野千晶
医学生のキャリア認識が、どういった生物学的因子、社会的因子、経済的因子・環境因子、教育機会因子と関連しているのかについてキャリア・アンカー理論を応用し、研究している。医学科1年生と医学科4年生に対してキャリア思考やWLBについてのアンケート調査を行っている。
b. えんネットマガジンの発行
特集:チームワークを発揮して地域医療を守る
浜田医療センターを特集し、院長の栗栖泰郎先生、猪木迫彩香先生、青木萌子先生, 松田花子先生、江田佐江子先生、川野早紀子先生にお話を伺った。
高齢の患者さんが多く、チーム医療が不可欠なこと、子育て医師もサポートできる互いに支えあう医療を展開されていた。
c. えんネットホームページ
キャリア支援・両立支援や学生支援の情報、学生教育について適宜更新している。
d. えんネットグッズの作成
えんネットの活動周知のためにグッズを作成し、イベント等で配布している。
本年度は、キャンパストートバッグを作成した。
(2)女性医師等ネットワーク形成
a.えんネット交流会
女性医師の働き方、女性医師同士の横のつながりを持つために開催した。
女性医師らと学生とで議論が深まった。
■第1回
【日 時】 令和6年7月16日(火)18:00~19:00
【場 所】 島根大学医学部附属病院 みらい棟2階 共通カンファレンス室Ⅰ
【参加者】 6名(学生1名)
【概 要】 第1回えんネット交流会を開催した。少人数ながら、参加者同士が聞きたいことを自由に話し合うことができ、有意義な情報交換の場となった。保育園や子育てに関する情報を共有して驚くことや参考になることが多かった。普段あまり話す機会の少ない他科の医師や学生との交流を通じて、新しい縁が繋がった。そして、ワークライフバランスをはじめとする様々な課題を共に話し合い、解決に向け役に立つ良い機会となった。
■第2回
【日 時】 令和7年3月4日(火)17:30-18:30
【参加者】 5名(学生2名)
【概 要】 少人数ながら和やかな雰囲気の中で、医師のキャリア形成や専門医資格の取得と育児の両立について活発な意見交換が行われた。海外では成果を上げつつ家庭の時間も大切にしている医師が多く、その時間管理について質問したところ、留学経験のある医師から、日本と海外の子育てに対する社会の意識や雇用契約の違いについて学ぶことができた。
また、ジェンダーの特性を理解することが、仕事や家庭生活にも役立つことが共有することができた。結婚や育児について具体的なイメージを持っていなかった男性参加者からは、「普段聞けない話が聞けて良かった」との声があり、有意義な会となった。
b. ワークライフバランスセミナー
【日 時】 令和6年10月1日(火)18:00~19:00
【場 所】 島根大学医学部附属病院 みらい棟4階 ギャラクシー Zoomを使用したハイブリッド形式
【対 象】 学生、医療関係者
【主 催】 島根大学医学部附属病院地域医療支援学講座
【共 催】 島根大学ダイバーシティ推進室 島根大学医学部附属病院ワークライフバランス支援室
【テーマ】 イキイキ個性の発揮が組織の成長へ~私らしいキャリア形成をめざして~
【講 師】 株式会社Womanʼs代表取締役 一級キャリアコンサルティング技能士 宮﨑 結花 氏
【参加者】 53名( 学生8名)
【概 要】 開催にあたって、ワークライフバランス支援室長より、当院のWLBの取り組みについてご紹介頂いた。宮﨑先生には、キャリアとは今までの歩んだ轍であり、自分を知ることで自分らしい未来を生きることができるようになる。また、自分らしくありたい事を明確化するメリットとして、主体的な行動になること、イキイキとした毎日になること、環境に働きかけられるようになることを教えて頂いた。
宮﨑先生のセミナーを4年ぶりに開催し、前回はオンラインであったが、今回対面が叶い先生のエネルギー溢れる姿や、分かりやすいお話にみんなが引き込まれた。今後もWLB支援室と協力しながら、職場環境の改善、仕事家庭の好循環を目指して活動を継続していきたい。
c. ドクターキャリア形成特別講義
臨床実習前の医学科4年生対象にした男女共同参画講義(キャリア教育)を島根県医師会と共に開催している。
【日 時】 令和6年11月21日(木)9:40~16:10
【場 所】 島根大学医学部臨床大講堂
【対 象】 島根大学医学部医学科4年生
【主 催】 島根大学医学部地域医療支援学講座 島根県医師会
【共 催】 日本医師会 島根大学男女共同参画推進室 島根大学医学部附属病院ワークライフバランス支援室
【内 容】
(a)WLB講演ならびにワーク
広島大学医学部附属教育センター 教授 蓮沼 直子 先生
(b)キャリアモデルの紹介
呼吸器・臨床腫瘍学 学内講師 濱口 愛 先生
小児脳神経疾患治療センター センター長 君和田 友美 先生 高度脳卒中センター 副センター長 安部 哲史 先生
(c)島根大学男女共同参画の取り組み 島根大学副学長 河野 美江 先生
(d)島根県「えんネット」の取り組み 地域医療支援学講座 助教 堀田 優希江
(e) 医師会特別講演 「緩和ケア医として生きること」
信州大学 信州がんセンター緩和部門教授 間宮 敬子 先生
(3)育児支援
研修会等での託児を行った。
●島根周産期新生児懇話会(島根大学医学部)
令和7年2月2日(日)9:00~13:00
以上