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【日 時】令和3年5月10日(月)12:15~12:45

【講 師】島根大学医学部附属病院 高度脳卒中センター教授 林 健太郎 先生

【参加者】13名

【概 要】
 林先生は、島根大学医学部附属病院に新設された高度脳卒中センターの教授として昨年9月に着任された。学生に伝えたいこととして、2部構成で前半は前任地の長崎と医療に関する歴史、後半は先生がキャリアをどのように積まれてきたのか、その転機となった出来事からメッセージを頂いた。
 1部では、歴史から学ぶメッセージとして印象に残ったのは、先生がご卒業になった長崎大学医学部医学科の開祖でもあるオランダの海軍医ポンペの医の神髄を教えた言葉「医師は自らの天職をよく承知していなければならぬ。ひとたびこの職務を選んだ以上、もはや医師は自分自身のものではなく、病める人のものである。もしそれを好まぬなら、他の職業を選ぶがよい。」と、島根県雲南市出身で長崎大学の放射線科の教授であった永井 隆博士が、自らが白血病を患い原爆で重傷を負いながらも、医師としての救護活動に当った時の「如子愛人」の精神であった。
 2部では、大学院から今日に至る過程において積み上げられたキャリアについて「その1:基礎研究~学位」「その2:留学」「その3:サブスペシャリティ」「その4:国際貢献」「その5:国際シンポジウム開催」と5段階に分けてお話し下さり、研究者:臨床家としての論文等業績をご紹介頂いた。
 最後に、キャリアとは偉くなる手段というわけではなく、それぞれのステップでベストを尽くした結果であるとまとめられた。中でも医師としての記録の重要性=論文と異文化に触れる留学を勧められ、業績が物語るtake-home messageであった。