本田先生

【実施日】令和3年10月20日(水)12:15~12:45

【講 師】島根大学医学部膠原病内科学講座 助教 本田 学 先生

【参加者】16名

 本田先生は島根大学のご出身で医師になられて9年目である。
 先生はご自身が学生からよく聞かれる2点の質問「初期研修病院をどのように選んだのか」「どうして膠原病内科を選んだのか」について、講座のご紹介も含めお話しされた。
 先生は初期研修病院を選ぶ為に病院説明会に参加し、「臨床推論の勉強会」「二次救急」「グラム染色カンファレンス」の3点が決め手となった松江市立病院で初期研修を受けられた。その中でも「グラム染色カンファレンス」はおすすめ度が高く、自分で染色・検鏡をすることにより感染症への理解が深まると共に、技師さんから得られるものも多く検査室の敷居が低くなったそうである。
 先生は初期研修でいろいろな科を回る内に様々な診療科に関心が向き、膠原病内科に最終的に決められたのは初期研修2年目の12月の終わりだったそうである。膠原病に興味を持ったのは、「元々薬物治療に興味があった」「治療によって患者さんが良くなる科が良い」「学生時代にリウマチの治療アルゴリズムをまとめ、病気に対し理論的に対応していくのが良い」というのが切っ掛けだったそうである。
 入局科の決定は最初「この科のここが良い」と選んでいたが絞り切れず、最後に「自分にとって悪いところを探す減点・消去法を持って決めたのが膠原病内科であり、大きな大志を抱いて入局したわけではない」と謙遜して話された。    
 今進路に悩んでいる人へのメッセージとして、「自分のやりたいことが決まっている人は問題ないが、いつか決まると思っている人は多分ずっと悩み続ける。運命では決まらない。」「この科は面白そう、興味深い。反対に自分には合わない等、なぜ自分はそう思うのか一つ踏み込んで、自分の根っこ部分に隠れた物差しを見つける事が大事だ」と自己との対峙の必要性を話された。また、YouTubeの「やりたいことの見つけ方」が参考になると勧められた。
 最後に膠原病内科について「膠原病は難病と言われ、患者さんにとってはそれまで普通に生活をしていたのが孤独感や疎外感を感じ、将来を奪われる感覚を持たれることもあった。しかし、今は治療の進歩によりこれまで通りの生活が送れるようになってきた。著名な先生の言葉を借りるならば『直接命を救うようなことは少ないかもしれないけれど、患者さんの人生を救う仕事』であり、そこにやりがいがある」と締めくくられた。