【テーマ】総合診療医の仕事と学生のうちに是非やってほしいこと
【実施日】令和2年9月4日(金)18:00~19:00
【講 師】浜田市国民健康保険あさひ診療所 所長 上野 伸行 先生
【参加者】21名

 先生が医師(総合医)を志した切っ掛けは、小学校6年生の時にお母様から聞いたお祖父様の家庭医のエピソードからだそうである。先生は、本学を卒業後沖縄で2年間の初期研修を行い、後期研修を先々のキャリアプランを見据えて島根県立中央病院を選択し、現在浜田市国民健康保険あさひ診療所の所長である。総合診療医について、県立中央病院と現在の診療所を対比する形でその役割と魅力を語られた。
  役割で共通のキーワードは「架け橋」で、診療所の場合は、患者と専科、患者と地域、患者と行政の架け橋としての役割があり具体例を提示された。他の役割として診療所は困った時に何でも相談できる場所であり、診療所そのものがあるだけで住民に安心を与えると話され、生活インフラのひとつとして、地域住民にはなくてはならないものであることが分かった。
 診療所の魅力としては「家族みんなを診れる」「上流アプローチで予防できる」の2点を挙げられ、地域の住民の家族の歴史をみながら、生活習慣病などの予防医療の実践をお話し頂いた。
 また、学生のうちに是非やってほしいこととして、「英語を忘れないように」「いろいろなことを体験する」「部活の仲間や同級を大切にする」「縁を大切に」の4点を先生ご自身の経験から伝えられた。先生は自分自身がやりたいことがあって迷った時は、それが、「好きなこと」「得意なこと」「人の為になること」なのかを考え、3つの重なる部分があれば、自分自身にとっても幸せなことであり、対象があれば提供する側にも幸せなことに繋がると、考えるベースを紹介された。
 最後にどの診療科に進んでも大事なことは、「患者さんにとって、家族にとって何が良いのかを考える事である」と締めくくられた。

上野先生1上野先生2

上野先生3上野先生4