平原先生

【実施日】令和3年5月17日(月)18:00~19:00

【講 師】東京ふれあい医療生活協同組合 研修研究センター
     センター長 平原 佐斗司 先生

【テーマ】在宅医療と肺炎 
     在宅での新型コロナ感染症への対応と疾患終末期の肺炎の緩和ケア

【参加者】14名

 新型コロナウイルス感染症の第4波が到来し緊急事態宣言が発令される中、今年も本学卒業生で東京において、在宅医療を実践されている平原先生に「在宅医療と肺炎」について最前線からお話し頂いた。
 先生は、臨床以外に教育、研究、多くの要職に就かれており、教育では、2つの在宅医療専門医の研修プログラムの設計や運営に携われている。在宅医療は、末期がん患者の在宅緩和ケアや非がん疾患・高齢者のエンドオブライフケア(終末期の肺炎)等に加えて、近年医療にアクセスできない人へのアウトリーチの重要性が高まっているそうである。先生は、新型コロナ対応も感染症に端を発した災害と捉えていると話され、在宅緩和ケアの中心が認知症を核としたmultimorbidityの高齢者に移りつつある中、医療にアクセスできない高齢者が増えていることを危惧されていた。
 在宅医療では、終末期の最大の苦痛としての肺炎症状に強い緩和ケアのニーズがあり、高齢者に多い誤嚥性肺炎と新型コロナウイルスによる肺炎について、機序・診療ガイドライン等を示して頂きながら、症例を通して治療の実際をご教示頂いた。また、高齢者では肺炎によるサルコペニア嚥下障害や認知機能の悪化・認知症の発症を認め、医療へのアクセスや日常生活機能低下等をきたす為、多職種連携チームによる積極的なリハビリテーションが必要であること等多くの学びを得た。
 新型コロナウイルス感染症の第4波に入ってからは中等症Ⅱのレベルまで在宅で対応されている現状の中、在宅医療の最前線現場から後輩となる学生達の為にご講演頂き、心より感謝申し上げたい。