松本先生

【テーマ】Inaka Doctor ~山の中で奮闘する。寄り添える命がある限り~

【実施日】令和3年7月20日(火)18:00~19:00

【講 師】飯南病院 医長/来島診療所 所長 松本 賢治 先生

【参加者】13名

【概 要】

 講演は、先生の演題が「Inaka Doctor ~山の中で奮闘する。寄り添える命がある限り~」に決まる過程のエピソードから始まり、笑いと先生の飾らないお人柄に心をつかまれ始まった。
 先生は島根大学医学部に学士入学し、医師になって11年、飯南病院にご勤務されて5年目の総合診療医である。飯南病院は地域住民の健康と命を守る公立病院として、医師は外来・入院の診療のみならず、訪問診療、健診、学校医、産業医、施設の嘱託医、研究・教育等様々な役割を担われている。保健医療福祉サービスに関わる多職種との連携が欠かせずコミュニケーションが重要な要素であると話され、そこには地域住民や他の専門職との顔の見える関係の構築が伺えた。
 先生は総合診療医について専門医との違いを、シーソーの図を用い「疾患の治療」と「生活」を両サイドに置き、専門医が疾患の治療を優先するのに対し、総合診療医は急性の病態が起こってない限りは患者さんの生活を主体に支える事にウエイトを置くと説明された。また、総合診療の魅力を「その人の人生に伴走する。その人の想いに寄り添う」と表現され、先生ご自身が目指す医師のイメージを、映画「ディア・ドクター」の鶴瓶さんと話され、地域住民や患者さんに慕われる松本先生の日常の診療の場が想像された。
 最後にネイティブアメリカンの教えとして「目を奪われるものはたくさんあるだろう。しかし、心を奪われるものだけを追い求めなさい」というメッセージが学生に贈られ、自分の思い描いている医師像を作って、それに正直に道を進んだらよいと締めくくられた。