【テーマ】地域で医療すること

【日時】令和元年10月25日(金)18:00~19:00

【場所】みらい棟2F共通カンファレンスⅠ

【講師】気仙沼市立本吉病院 院長 齊藤 稔哲 先生

【参加者】15名

【概要】

  先生は島根とご縁の深い方である。大学の小児血液の専門医から平成11年弥栄村の農業研修生としてご家族と共にIターンされている。その後現場復帰され、浜田市の合併を機に地域の診療所の医師が連携し、相互にカバーし合える診療所連合体を作り、システムとしての確立に尽力された方である。先生の多様なご経験から、「自分の立っている場所で楽しむことが大事」、そして「1.新しい世界に踏み出すと、2.新しい風景が見えてきて、3.新しい課題も見えてくる。4.新しい課題に取り組むと5.新しい風景が見えてくる。これらはループになっている。」と話された。更に50代のご自身が20代を振り返ると、「自分の考えていた未来の形だけではない世界があり、自分が想像している以上に変わることができた」と話された。つまり、学生たちには計り知れない未来が待っているということであり、先生でしか語れない確かなメッセージに感動を覚えた。

  学生達には、様々な問いかけをしながら、大規模病院が治す医療に対し小規模病院は生活を維持する医療と評された。そこから現在院長を務められる本吉病院について、「地域に起こるすべての医療・介護の課題の窓口になり、様々な活動を通して解決を図る地域に根差した小規模多機能病院である」と紹介された。地域の医療には、住民との対話が欠かせない。健康の障害となりえる「種」がないか患者と共にさがし、発芽し成長しないように患者と一緒に生活を含めて考えていく。そして患者とその家族が満足できる解決策を患者自身が考え行動できるよう導く。まさに、地域包括ケアシステムの5つの構成要素が頭に描けると同時に「自助・互助・共助・公助」の4つの「助」の基礎である「自助」の部分を育てる医療実践を学ぶことができた。

 学生のアンケートにも「地域医療をやるモチベーションを得た。」「本吉病院で実習したい」等の感想があった。

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