【テーマ】開業医の多様性と人生設計
【実施日】令和5年5月19日(金)18:00~19:00
【講 師】大学前のつ内科クリニック 理事長 野津和己先生
【参加者】17名

【概 要】

 先生は大学卒業後、島根医科大学第一内科に入局し、島根県立中央病院 内分泌代謝科で専門医として勤務され、現在、松江市内で開業医をされている。

 先生はこれまで、学生や研修医の指導を長くされてきた経験から、医師としてのセンス、守るべきこと、心がけることについて語られた。
医師としてのセンスを持ち合わせているかは、1.症状・徴候のとり方 2.紹介状の書き方 3.症例報告から見抜けるようである。
また、医師になると頭が高くなりがちであると指摘された。守るべきこととして「リスペクト精神」心がけることとして「丁寧な言葉遣い」をお教えいただいた。

 CPPC(Clinical pharmacological pathological conference)という病理解剖を検討するカンファレンスを元に、診察の場でも意識し、応用的な考え方のCPPCを示された。
concentration(患者さんに集中する)、preparation(診察するための準備、勉強をする) performance(実際に患者さんを診る) confidence(信頼)をご教授いただいた。
これはどんな場面でも応用が利くことであり、常に意識しながら取り組むとよいとを話された。

 人生設計についてもお話しをいただいた。
先生は島根医科大学で15年、県立中央病院で15年、内分泌の臨床・研究を継続してこられ、英語論文も多数の業績がある。
また初期臨床研修制度が始まった当時から初期臨床研修医の指導にもあたってこられ、たくさんの若手医師を育成された。
研究や臨床と、激務をされてこられ医師になり30年で開業をされている。

 開業医の仕事は外来診療だけではなく、往診、訪問診療、健診・検診、ワクチン接種など多岐にわたっている。
先生は、「開業医のメリットは自分で勤務日を決められることである」と話され、月曜日に休診とするなど、勤務医時代とは違う夢のような生活であると話された。

 先生は15年ごとに転機を迎えてこられた。
「学生の皆さんにとって、15年後はなかなか想像しにくいかもしれないが、15年後を見据え、何をしたかったか、やり残しはないか、この道でよいかを問いながら人生設計をする。そして、たくさんの経験をして、社会貢献をしてほしい」とメッセージを贈られた。
長年、臨床医をしてこられ、確かな実績と経験からあふれる言葉に深みを感じ、より一層精進しようと感じたセミナーであった。

先生

会場