【日 時】令和6年1月26日(金) 18:00~19:00

【場 所】Zoom配信

【参加者】46名 

【講 師】国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 救急科 統括部長 軍神 正隆 先生

 軍神先生は、臨床研修後に東京大学医学部附属病院救急部・集中治療部に入局された。
その後、アメリカに研修留学された貴重な経験をもつ医師である。今回「究極の救急医療 総合救急診療」をテーマとしてお話し頂いた。

 先生は、限られた時間とマンパワーや医療資源のなかで患者さんのニーズに合う医療を提供することにやりがいを感じて救急医療を志ざされた。
アメリカの研修留学時代には救急医療の崩壊を目の当たりにしながら診療を続けられ、そこで培われた経験から「病歴聴取と身体診察がメインの総合救急診療をマスターできれば、あらゆる分野の救急医療に対応できる」と熱弁された。

 また、アメリカの救急医療の歴史についても説明された。
1970年代の医療崩壊をきっかけに対策が取られ、ノンホスピタリスト(救急看護師・救急救命士等)の養成や症状・徴候を中心としたEBMの確立が行われ、現在のシステムが構築されたとのことであった。
この歴史の説明を受けたことで、総合診療救急の重要性や概念を理解することができた。
一方で、アメリカの救急医療のルーツが家庭医であることを知り少々驚いた。

 最後に今後の医学教育の在り方について触れられた。
「シミュレーション教育を最大限に利用し、総合救急診療教育ツールをパッケージ化する、更にハイファイシミュレーション(VR・AR・FSS)と連動することが出来れば、効果的な人材育成ができるのではないか」と力説された。

 救急医療は社会のニーズを非常に色濃く反映した地域医療の根幹ともいえる領域であり、救急医療に興味を持つ学生たちに深く印象付けられたものと思われる。

先生