園山先生

園山先生

【テーマ】進化する放射線治療~和気藹藹 新治療等でがんの治療中~

【実施日】令和5年7月11日(月)12:15~12:45

【講師】島根大学医学部 放射線医学講座 放射線治療科
      助教 園山 陽子先生

【参加者】 24名

  先生は兵庫県出身で、鳥取大学を卒業後、島根県立中央病院で初期研修を行われた。診療科については学生時代から薬をメインとした治療に抵抗もあったことから放射線科を選択された。放射線科では放射線診断・IVR(血管内治療)を主に行われていたが、「もっと患者さんと直接かかわりたい」と思い、放射線治療科へと転向された。県立中央病院にて放射線治療をはじめとする専門医を取得後、さらに研究・勉強を深めたいと大学へ赴任してこられた。

  放射線治療は、がん治療において手術・抗がん剤に並ぶメイン治療の一つである。島根大学では4月に放射線治療棟が竣工し、5月より稼働している。山陰では島根大学にしかない最新の精度の高い外照射を行うことのできる機器や腔内照射の機器があり、充実した放射線治療を行うことができる。

  放射線治療医は患者さんに適した放射線治療を選択し、治療内容を患者さんに説明、放射線治療の当て方を決めるのが仕事である。先生が大切にしていることは『目の前の患者さんにとって最善の放射線治療を提供すること』『仕事を続けること』と話された。患者さんとかかわる時間も多く、初診時は1時間かけて説明を行い、また放射線治療を継続・完遂できるように患者さんを励ましながら日々診療を行っておられる。放射線治療体制は専門医のみではなく、医学物理士・放射線技師・看護師と多職種との協力が重要な診療科である。時間外勤務も少なく、土日も外勤がなければお休みをしっかりとれるところも魅力の一つである。

  先生は初期研修・専門研修・放射線治療専門医取得後に出産を経験されているが、育児をしながらもその時々にできる働き方を継続されてきた。その中で患者さんとの信頼関係も築くことができうれしい経験もあったことをお話しされた。「『案ずるよりも産むが易し』は本当であるが生んでみて易しに達してやっとわかることなので、迷いながらも焦らず自分の道を進んでほしい。」と親しみやすい笑顔いっぱいでお話しされた。

  ライフイベントで仕事の継続しにくい特に女子学生にとって、学びの多いお話であった.