【テーマ】『地域ではたらくこと』あなたの疑問に答えます!
【実施日】令和5年4月24日(月)18:00~19:00
【講 師】浜田市国民健康保険 あさひ診療所 所長 上野 伸行先生
【参加者】18名


 上野先生は島根大学のご出身で、現在浜田市国民健康保険あさひ診療所の所長である。
また、週1回、島根大学医学部附属病院総合診療医センターにて、学生や研修医が他施設の指導医と交流が図れる仕組み作りに当たられている。

 先生には「地域で働くこと」と題して、 “総合診療の仕事について”、“思い出の症例”、“学生に望むこと”の3点についてお話し頂いた。
総合診療の仕事では、先生が考える診療所の役割やその魅力を、日々の診療を通してのエピソードを交えながらお話し頂いた。
旭町に対する深い地域愛、目の前の患者の生活スタイルや背景を尊重した医師としての姿勢、医師と患者の2者関係だけでなく看護師との連携等、チームとしてのつながりが見えるお話であった。

 思い出の症例では、3症例をご紹介頂いた。
診断過程のみならず、患者家族の思いや希望を尊重した医療者の姿勢を丁寧に説明された。

 参加学生は入学したばかりの1年生から、実際に臨地に出て学ぶ6年生まで幅広かったが、先生のお話しには、学年の幅に関わらず、医師を志した学生たちの経験や思いに照らし、見えてくる光景があり学生の胸に届いているように感じた。
対話形式をとり、学生の思考を大事にしながら「医学と医療」「疾患diseaseと病いillness」の観点からも、その違いを明瞭に説明頂いた。

 最後に、どの科に進むか迷った時、“好きなこと”、“得意なこと”、“人のためになること”の3つが重なったところを選択すると、自分にとって一番向いていて感謝される仕事に就くことができると助言された。

 終了後は学生からの質問が相次いだ。
その回答で印象に残ったのは、「医師として患者さんに接する態度は一番大事であり、信頼関係の獲得につながる。患者さんの多くは人生の先輩であり、自分たちが経験しえない世代の方である。学生時代から尊敬の念をもって、意識して向き合わないと、すぐに身につくものではない。また不安や悩みに寄り添い、共に考えることが患者さんの幸せにつながり、患者さんはその医師の姿勢に救われる。」であった。

 実践家であるからこそ、経験から発せられるメッセージであった。

 

会場

先生

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