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【実施日】令和5年9月20日(水)12:15~12:45

【講 師】島根大学医学部 消化器・総合外科 教授 日髙 匡章 先生

【テーマ】どうする外科医!どうなる外科医! ~地方出身の一外科医人生~

【参加者】33名

【概 要】

先生は長崎大学のご出身で、2023年4月に消化器・総合外科学講座の教授に着任された。

タイトルには大河ワードを秘め、お話は外科医としてのキャリアにプライベートを織り交ぜて、とてもドラマティックであった。

先生の診療科選択は、6年次に病院見学で訪れた順天堂大学で食道切除・再建術を見学し、そのダイナミックさに魅了され内科志望から一転外科医を志すことを決意されたそうである。

臨床は大学での1年を経てから島原市・尾道市等で積まれ再び大学に帰られた。その時の経験こそが副題の“地方出身の……”に表されている。先生は「地方に行っても何ら問題ない。むしろいろいろな経験ができた。自分の中に確かな根拠がある」と確信をもって話された。この続きは直接お伺いすれば、その根拠の深堀と共に未来が開けそうな予感を覚えた。

 また、フランスとイタリアに留学された経験をお持ちで、文化・価値観が違えば医療の体制・働き方もまた違うとして、両国の移植医療の現状や日本の課題をお話し頂いた。相手の習慣や価値観を尊重する等、異文化を理解することからの視野の広がりを教示頂いた。

 更にはプライベートにまつわることも、しくじり先生的に「覆水盆に返らず」とオープンに語られた。学生達には、働き方改革にも通じる教訓とその真理について、「どんなに忙しくても、パートナーと会話すること」と回避法を伝えられた。

 最後に、ある学生とのエピソードを紹介された。世代論の特徴を学生にむけたところ、「勝手に○○世代とまとめて言われるのは心外」「好きでこの時代に生まれたわけではない」と抗議を含めての反論を受けられ、それ以降は学生の個を尊重し向き合われているそうである。しかし、医師となる学生にとって「医療の真理」「医師として大事なこと」「外科医としての責務」はいつの時代も変わらないとして、自らに問いかける姿勢を大事にしてほしいと伝えられた。そして「ぜひ外科医に!!」加えて「家庭を大事にする外科医に!」と熱いコールを贈られた。