田村先生田村太朗先生Career webinar

【テーマ】流されるままに…

【実施日】令和4年7月6日(水)12:15~12:45

【講 師】島根大学医学部環境保健医学講座 環境予防医学 准教授 田村 太朗 先生

【参加者】11名

【概 要】先生は島根医科大学のご出身で、2021年4月に前任の福井市保健所より着任された。先生は京都生まれの大阪育ち、時折混じる関西弁のイントネーションと笑いを交えながらお話しされる姿には、親しみと誰からも好かれる、愛されキャラを彷彿とさせるものがあった。

 先生は大阪の呼吸器専門病院でご勤務の後、福井大学医学部環境保健学教室で職業性環境起因性呼吸器病、特にじん肺ILO分類やHRCT分類に関する研究をされ、アジアを中心としたアジアじん肺読影医養成コースの講習会にも携わられていた。

 その後、福井市保健所の立ち上げに関わるため、福井大学から福井市保健センター・福井保健所に移られた。初めての保健所勤務に、生活衛生・感染症・精神保健・国民栄養調査・健康増進・医療監視関係など、保健所業務を全部経験する勢いを持って臨まれたそうである。

 福井市保健所では、保健予防室(感染症)で感染症動向調査のサーベイランスのまとめや、新型インフルエンザ等対策マニュアルの整備に従事され、その頃時を同じくして新型コロナウイルス感染症の発症が起こった。先生は、新たな感染症の出現と世界的に何かが起ころうとしていることに気持ちも昂り、WHOの論文を読みあさられたそうである。その後第1波から第4波の始まりまで対応に当たられ、「感染症と人権の問題」「リスクコミュニケーションの問題」等、公言可能エピソードを交えて提起頂いた。また感染症の集団発生時に保健所が対応する流れをお話し頂き「診断基準とは異なる症例定義」について教示頂いた。

 最後にタイトルの「流されるままに…」について、先生ご自身は仕事上の転機となるワードは臨床・研究で携わってきた「呼吸器」でつながると振り返られた。その時々に、『流れに逆らわらず現在に至る』とまとめられ、飾らない先生の魅力の一端を成す表現のようにも感じられた。

学生には本当にやりたいことがあればそのことに邁進し、なければ自分の興味ある事を掴み育てていくことにより、キャリアアップにつながるとメッセージを贈られた。

 学生からは「学生のうちに出来ることは何でも挑戦して、いつか役立っているなと思えるようにしたい」「今後のキャリアを考える上での一つの選択肢になった」と感想が寄せられた。

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