【テーマ】益田医療圏域医療連携再構築の現状2023
【実施日】令和5年2月13日(月)18:00~19:00
【講 師】益田赤十字病院 病院長 木谷 光博 先生
【参加者】23名


木谷先生は島根医科大学の1期生で、現在益田赤十字病院の院長である。
「益田医療圏域医療連携再構築の現状2023」と題してお話し頂いた。前半は病院管理者・経営者としての観点から、後半は人材育成の見地から学生に多くのメッセージを頂いた。
最初に島根県の医療事情並びに益田圏域の病床機能について、地域医療構想をベースに、医療連携協定を結ばれている病院を例に挙げてお話を頂いた。


病院の経営分析や様々な指標の算定等、再建に向けての取り組みの実際をお聞きした。
学生達が今後地域医療の理解を促進するためのキーワードを示しながら、学習の必要性を伝えられ、特に「介護保険の仕組みが理解できなければ、平時の地域医療はできない。」と話された。
また、ある病院では、今年度初めて当該地域推薦の医師が地元で勤務され、周りから大変感謝されていると話された。
受験時だけの「地域貢献したい」であってはならないと、初志貫徹することの意義を苦言としてメッセージに込め伝えられた。
在学中の支援にあたる我々の講座としても、学生のモチベーションをいかに維持し、より魅力あるものとして伝えていくか、またこのように地域で輝く先輩たちの声を後輩に届けることも、講座の重要な役割であることを再認識した。


後半は、先生が尊敬される緒方洪庵と中村哲医師のご紹介から始まった。
緒方洪庵の“医の世に生活するは人の為のみ、唯(ただ)おのれをすて、人を救わんことを希(ねが)ふべし”等いくつかの言葉を紹介され、ヒポクラテスの誓いにもほぼ同様のことが示されているとしながら、『医の精神』を教示頂いた。
また、中村哲医師について、その崇高な行動と共に残された名言から“人を救うことが医師の本分である” 、“誰もが行きたがらぬ所へ行け、誰もがやりたがらぬことをなせ”等をご紹介頂いた。

先生は、最後まで『人を救う』という医師としての気持ちが、その功績の根底にあったのではないかと締めくくられた。
最後に学生へのメッセージとして、「皆さんには、ぜひ医師が少ない地域での経験をしてもらいたい。本当に困っている方と話すこと、そこで一生懸命働くスタッフと語ること、そして患者さんを診察するという経験は、長い医師キャリアの中で必ず最も重要なパートになる。自分の存在価値を知り、もっと勉強しなくてはと、医師としてのモチベーションも高まる。」「そして、可能ならば尊敬できる指導医(医療技術のみでなく人間性が重要)がいるところを選んで欲しい。」と贈られた。


学生達も厳しい現実と共に、地域医療マインドに繋がる希望の光を見出したのではないかと考える。

 

先生

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