令和4年度第9回Career Webinar

【実施日】令和5年1月16日(月)12:15~12:45
【テーマ】病理医になる方法教えます!
【講 師】島根大学医学部病理学病態病理学 教授 新野 大介先生
【参加者】15名
【概 要】
 新野先生は令和4年8月1日に病態病理学の教授として着任された。長崎大学のご出身で学生時代は柔道部に所属されていた。医学生のスポーツの祭典である全医体で優勝したとサラリと話され、引き分け要員と謙遜しながらも、猛者達が優勝旗・トロフィーを持つ集合写真には青春の一ページが垣間見えた。
  先生は、学生時代から病理医を志望されていたが、当時卒後すぐには病理医のハードルは高く、大学卒業後は顕微鏡を扱うことの多い血液内科に入局されたそうである。大学院ではその臨床を活かし“骨髄移植後の皮膚GVHD”の研究をされた。修了後2年目に病理医としての道に進まれ、市中病院や久留米大学で実績を積まれた。2016年には長崎大学の寄附講座、長崎病理医育成・診断センターの教授に就任された。病理医の育成に尽力された他、離島病院との連携を図り遠隔術中迅速診断を確立された。講座満期終了後は市中病院や産業医科大学に勤務され、25年の病理医経験をお持ちである。
 先生は今後、島根県内で活躍する病理医を増やすために、次の3つ方針を掲げられている。“1.器官病理学・病理部との連携強化2.病理専門医を取りやすくする3.病理学教室の魅力を上げる”である。「昔の病理医というと白い巨塔の大河内教授が思い出され、病院の端っこの暗い部屋でひたすら顕微鏡をのぞいているイメージであったが、それを払拭したのが病理医を演じる長瀬智也主演の『フラジャイル』だった」と話された。加えて芦田愛菜が小さい時に「病理医になりたい」と話したのをマスコミが取り上げ、一気に病理医の知名度が上がり,格好いい仕事と認知されたそうである。
 病理学会が作成した病理医紹介ビデオを見せて頂き“ドクターズドクター”と言われる所以や魅力をご紹介頂いた。また、先生がお考えになる“病理医に向いている人8ポイント:1.好奇心旺盛2.1日中顕微鏡を見ていても苦痛ではない3.孤独に強い4.臨床・治療に興味がありそれらの知識がある5.患者さんからの有難うと言われなくても頑張れる6.HE染色の組織像が綺麗と思える7.研究が好き8.コミュニケーションが上手”を提示された。“病理医の仕事・収入”や “病理専門研修プログラム”に、先生がお考えになる“病理医のおすすめコース”等、島根県での病理医育成に向けて具体的な連携や構想をお示し頂き、先生の情熱が伝わり、学生達には未来が描けるお話であった。

新野先生新野先生新野先生